動機づけ面接法(Motivation Interviewing以下MIと略す)について学習したことを書いていきます。MIとは心理学やヘルスコミュニケーション、医療社会学などでよくとりあつかわれる面接技法・介入方法の名前です。「変わりたいけど考え方や行動を変える事ができない」といった様々な問題に有効なアプローチとされています。禁煙や薬物依存のカウンセリングでよく使われる技法ですが個人的には認知のゆがみを伴う問題全般、たとえば反ワクチンや医療デマの問題解決アプローチにも一部、使えるのではないかと考えてます。以下まとめです。

1、動機づけ面接法(MI)とは?

禁煙やアルコール依存・ダイエットなどの介入で行われる面接方法。アメリカの臨床心理士ウイリアムミラー博士が創始者。←クリックすると博士の顔が見えます優しそうな笑顔が印象的ですね。

2、人が行動を変えられない背景:

両価性(Ambivalence)

人は自分の行動や考えにおいて「変わりたい、でも変わりたくない」,「やりたい、でもやりたくない」という2つの相反する気持ちを同時に持つことがあります。これを「両価性(アンビバレンス) 」と言いだれもが持っています。人が行動を変えていく過程において通常経験することでもあります。変わりたいけど変われない、やめたいけどやめれないのはこれがあるからかもしれませんね。

3、相手の行動を正そうとする言動:

正したい反射(Rising reflex)

人は相手が間違っていることを言ったり行なったりするとその「考えや行動を正したい」という本能的な願望を持っています。しかしながら正しい反射から生じる「説得」・「警告」・「反省させる」といった言動は相手のためにと思っていても相手の行動変容の妨げになることもある。逆効果になってしまうのです。

4、心理的抵抗:相手の気分を害しては支援できない

心理的抵抗は大きく分けて2つ。

「不協和」:面談者への抵抗

「維持トーク」:現状にとどまる理由を述べる言動強化

これらの問題を引き起こさないようスムーズに支援をするためにはどうすればよいのか?もう少し細かく見ていきたいと思います。

5、動機づけ面接法ではその人の見方や関心に焦点を当てる。

動機づけ面接法(MI)は来訪者中心のスタイルです。対処方法を教えたり、認知を変えたり(説得)、過去を聞き返したりせず来訪者が現在何を求めているのか?何を心配しているのか?に焦点を当てます。相手の行動変容が目的だからです。。

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次にMIにおける質問方法OARSについてまとめていきます。

O:Open question

開かれた質問、YES,NOではなく相手が自由にしゃべれる質問。「何についてお話になりたいのでしょうか?」、「どのようにお考えですか?」

A:Affirming

肯定・是認「それはそうですよね。」、「いい考えだと思います」

R:Reflecting、Reflective listening

振り返り(反映・聞き返し)傾聴。否定・反対・反論せずしっかり耳を傾ける。最も大切であり、最も修得が難しいといわれる。

S:Summarizing

要約「心配されていることは●●ですね」

これらを用いたうえでチェインジトーク(変化についての話)を引き出す。以下4つに分類されます。

1、現状の不利益を認識した言葉 2、変化の利点を認識した言葉 3、変化について楽観的な気持ちを表現する言葉 4、変化への意思や決意を表現する言葉

 

面接のプロセスは以下のようになるでしょう。

1,かかわる・関係性の基盤を作る OARSを用いて来談者の来談者の両価性ジレンマの理解に努める → 2,フォーカスする・変化のゴール設定 来談者と面談者での協働決定段階 → 3,チェンジトークを識別しさらに引き出す なぜ変われないかではなくなぜ変わりたいかに着目 → 4,計画する 来談者の準備ができていれば具体的な計画立案しその行動強化

 

感想・まとめ

他にもいろいろと重要な点はありますが気になるポイントについてまとめました。また、これらはカウンセラーの技法であり、実際にMIを行うにはトレーニングも必要とされるでしょう。そしてあくまでもMIは面接技法であります。多数に対する情報発信、例えばマスコミやSNSによるコミュニケーションではそのやり方も違ってくるでしょう。しかし、もしも相手の行動変容に注目するならば「正論だけでは人の行動は変えられない」という事実を知識として知っておくだけでも役に立つはずです。前述のように薬物依存症などの問題解決アプローチに有用なだけでなく、医療デマや反ワクチンの問題解決の一助になるではないでしょうか。エビデンスで殴り、価値観をぶつけ合い、お互いの正当性を主張しあうだけでは何も進展しません。その際に「なぜその人がワクチンを恐れているのか、不信感を持っているのか?」また逆に「なぜワクチンが良いとされているのか?」反対の価値感について考えるだけでもコミュニケーションの仕方は変わってくるはずです。MIの技法はそれらについて考えるきっかけになるのではないでしょうか??

 

★参考 医療スタッフのための 動機づけ面接法 逆引きMI学習帳

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