「クラウドファンディング」の仕組みを使って無資格マッサージ問題を解決する可能性。

社会問題を提起するのには様々な方法がある。デモをする、マスコミに訴える、政治に訴える、行政に訴える・・・など。そのうちの一つに「司法に訴える」という方法がある。国相手に違憲訴訟などを起こす方法だ。これは難易度が高い。高額な弁護士費用もかかることもある。しかし、最近ではある仕組みを使えばこの問題が解決されるかもしれないという可能性があるのだ。「弁護士団活動費用をクラウドファンディングを使って資金調達する」という方法をご存じだろうか?まずは上記リンク草原敦夫弁護士のNOTEから弁護士団活動の意義について紹介したい。

(以下・引用)

弁護団活動の意義

多くの弁護団は、法の理念の実現という公益を達成するために、「『泣き寝入り』を許してはいけない」「声を上げなければいけない」というミッションベースで、弁護士が結集して組成されている。今回の「医学部入試における女性差別対策弁護団」は、まさにこのタイプの弁護団だ。

「政策形成訴訟」といわれることもあるが、このような弁護団は、個別の被害者の権利を救済するとともに、それを超えて、同様の被害者を生まないように、立法・行政をも動かすことをも目指す。中国残留孤児、ハンセン病患者、公害被害者、アスベスト患者の救済など、歴史的にも、さまざまな社会問題に取り組む弁護団が組成され、そして、集団訴訟などを通じて、法令を変え、あるいは国との和解を引き出すなど、大きな成果を上げてきた。

弁護団の取り組む事件は、えてして難易度が高い場合が多い。同じミッションのために結集した弁護士の叡智を結集し、強みを持ち寄り、徹底的に議論して法律構成を考え、必要な事実関係の調査を行い、被害者の権利実現のために取り組まれているのだろう。多大な時間とエネルギーを要する事件ばかりであることは間違いない。

(以上・引用)

あんまマッサージ指圧師の業界には昔から「無資格施術問題」というのがあるがこれはかなりこじれた問題になっている。解決の糸口も全く見えない。厚生労働省が警告をしているものの、2013年には経済産業省がお墨付きを与えるような形でリラクゼーション業を認定してしまった。これには政治と金をめぐる疑惑も報じられているが、あんまマッサージ指圧師の資格はすでに有名無実となっていると言っても過言ではないかもしれない。それだけではなく有資格者が広告制限があり無資格者は広告制限を受けない、また養成学校も新設できない等の制限があり有資格者の間ではむしろ資格の取得がかえってマイナスになるのではないのかという声さえあるくらいだ。おそらく個人や学校単体で戦っても風穴を開けることすら難しいのではないだろうか?

これらの問題に対し、誰が、どのような、どんな戦略でどんな戦い方をするか?いろいろな方の思いや考えはあると思うが新たなる希望とも言える「クラウドファンディングを使って弁護団を結成し司法に訴える方法」と、この問題を解決する可能性について少し書いてみる。

なぜこの方法を取るのか?と言えば上記、草原弁護士のNOTEにもあるようにそもそも国を相手に訴訟を起こし違憲判決を勝ち取るのは専門的な知識を必要とするだけでなく立法や行政を動かすことにもつながるためとても難しい。難易度が高いのだ。論点も含めて相当な準備期間が必要であることが予想される。この辺の様子は違憲訴訟を3連続で勝っている亀石倫子先生の書籍「刑事弁護人」でも読めるため詳しくは一読されることをお勧めしたい。弁護団結成しても経費や時間はかかってしまうだろう。しかし、今はクラウドファンディングの仕組を使ってこの経費の問題は解決できる可能性があるのだ。もちろん弁護士費用の問題が解決したとしても問題は山ほどある。どの業界団体が中心となって、どの弁護士が中心となって、どんな論点で、、、、、など、検討しなくてはいけないことがたくさんあるのだ。とくに中心になって動いてくれる弁護士が見つからない限りは弁護団の結成も夢のまた夢で机上の空論に過ぎない。しかしながら昔はできなかったこのクラウドファンディングの手法が使えるのは大きいと思う。検討し準備しておく価値はあるのではないだろうか?

最後にこの問題の論点について書いていく。この辺も検討が必要な話ではあるが論点はやはり「公衆衛生の問題」であると思う。資格は何のため?誰のため?にあるかと言えばそこには公益のためにある。これはけして既得権益の話ではない。自動車を運転するのに交通関係法規や自動車の知識や技術が必要なように、医学的な知識や衛生面の知識がないならば他人の体を触って施術ができないのは当たり前なのではないだろうか?被害を与えてしまう可能性も高いし既に現実的に「ズンズン体操」と言われる自己流の手技をやっていた無資格者が人を亡くならせてしまう痛ましい事件も起きている。経済政策を優先させて公衆衛生の問題をないがしろにすることは公益に反することだと思う。その部分を裁判でしっかり証明できる日がくれば、この問題も解決する可能性があるのではないだろうか。

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