少し前に話題になった本FACT FULLNESS(ファクトフルネス)を読んだ。この本は、鍼灸の仕事にも医療大麻や薬物政策を考える上でも役に立ったので学んだことをまとめていきたいと思う。
(1)ファクトフルネスとは?
「データを基に世界を正しく見る習慣」を意味する。多くの人は、「自分が知っている世界は、事実とさほどかけ離れたものではない」と信じこんでいるが必ずしもそうとは限らない。世界を正しくみるためには思いこみを「自覚」し思い込みを起こさせる私たちの「本能のルール」を理解することが大切なのだと思う。以下にまとめる。
(2)ファクトフルネスの10種類のルールとその対策
1、分断本能
人はだれしも様々な物事や人々を2つのグループに分けないと気が済まない。*例「金持ち・貧乏」グループ分類など。
しかしながらほとんどの場合大半の人はその中間に位置していたり必ずしも2つに分けられるわけではない。
→(対策)
大半の人がどこにいるかを探す。
2、ネガティブ本能
私たちの周りは一見何もかもがどんどん悪くなっているように見える。「悪い」と良くなっているは両立するし良い出来事はそもそもニュースになりづらい。
→(対策)
悪いニュースのほうが広まりやすいことを覚えておく。
3、直線本能
実際には直線のグラフの方が珍しい。S字カーブ、滑り台型など様々な形があり得る。
→(対策)
直線もいつかは曲がる。
4、恐怖本能
恐ろしいものには自然と目がいってしまうが恐怖と危険は違うことに気づくこと。恐ろしいと思う前に現実を見よう。リスクとは危険度と頻度、質と量の掛け算で決まる。
→(対策)
リスクを計算する。
5、過大視本能
ただ一つの数字がとても重要であることに勘違いしてしまうことに気づくこと。比較をしたり、80:20ルールを使ったり、割り算を使うこと(ひとりあたりに注目すること)で同じ数字から全く違う意味が見いだせる。
→(対策)
数字を比較しよう。
6、パターン化本能
ひとつの集団パターンを根拠に物事が説明されていたらそれに気づくこと。
→(対策)
分類を疑う。
7、宿命本能
いろいろなもの(人・国・宗教・文化など)が変わらないように見えるのは変化がゆっくりと少しづつ起きているからだ、と気づくこと。小さな進歩を追いかけたり文化が変わった例を集めよう。
→(対策)
ゆっくりとした変化でも変化していることを自覚。
8、単純化本能
一つの視点だけでは世界を理解できないと知る事。自分の考え方を検証しよう。知ったかぶりは辞めよう。単純なものの見方と単純な答えには警戒しよう。
→(対策)
一つの知識がすべてに応用できるわけではないと自覚。
9、犯人捜し本能
誰かが見せしめとばかりに責められていたらそれに気づくこと。犯人ではなく原因を探そう。ヒーローではなく社会を機能させている仕組に目を向けよう。
→(対策)
誰かを責めても問題は解決しないことを自覚。
10、焦り本能
「いますぐにきめなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくこと。今すぐ決断しなければならないことはめったにない。占い師に気をつけよう。深呼吸しデータにこだわろう。
→(対策)
小さな一歩を積み重ねる。